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●駅弁コラム                    ●駅弁コラム(過去掲載分)

「お品書きの効用」 2004年4月8日

 近年「お品書き」を添える駅弁が増えて来ています。掛紙などに記される原材料表記とは別に、駅弁に入るご飯やおかずについて、品名や素材の産地、調理法などが記されており、時には「なぜこの材料を使うのか」と言ったこだわりにも触れられていることがあります。
 元々は高級感の演出を狙って始まったものかとは思いますが、いつ頃、どの駅弁から始まったのかは定かではありません。
 今回はそんな「お品書き」の効用について書いてみたいと思います。

 結論から書くと、もっと多くの駅弁でこの「お品書き」があっても良いのでは?と私は考えています。さらに言えば、駅弁の「付加価値」を高めるために活用すべきではないかと思っています。
 別に私のような駅弁サイト管理者が、あとで解説を書くのに楽だから、という理由でこれを書いている訳ではありません。もちろん、あれば助かることは間違いありませんが。

 多くの人は美味しいものを食べたとき、その喜びを周囲の人に伝え、時には誘い合わせてその味を共有したりすることで、その喜びを倍加させていると思います。
 その時、どのように伝えれば最も相手に美味しさが伝わるでしょうか。ここでは、ラーメンを例にとって説明したいと思います。

「いやあ、とっても美味しいラーメンがあってね、こってりしているようで、でも決してもたれる訳じゃない、絶妙な味なんだよ。」

「この間食べたラーメン、鶏油をかけているから油っこいのかと思ったら、それはスープの熱を逃がさないためで、カツオダシスープのあっさり味とは、抜群の相性だったよ。」

 我々は自分が伝えようとする物について、的確な情報を持っている方が、より具体的に対象物を語ることが出来ます。
ラーメンの例えが適切かは別としても、情報が具体的であれば相手にも伝え易い、伝わり易いということです。

 最近では深夜のテレビ番組の影響からか「うんちく」を語ることが、ある種の流行りになっていますが、食べ物、特にこれが駅弁となれば、旅の思い出話と重ね合わせて、より伝える機会は多いはずです。
そんな時に力を発揮するのが「お品書き」ではないかと私は思うのです。
 駅弁は地方の食文化を体現するもの、と言われますが、それだけに初めて出会う素材や調理法も多く用いられています。

 ところが、とても美味しくいただいてそれを伝えたいと思ったときに、困ってしまうことがあります。
 主菜はある程度、商品名や各種媒体からの情報で知り得ても、こと副菜になると自分の味覚と知識だけが頼りの世界です。
 もちろん「美味しい」という事実に勝るものは無いのでしょうが、いざ振り返った時に、お品書きに書かれていたことが、美味しい記憶を呼び覚ますキーワードになるように思います。
 また、その地方独特の食文化はもちろん、正しい素材や調理法の知識を得ることは、それらを受け継いで来た各調製元の技やこだわりに触れる、またと無い機会ではないかとも思います。
 仮に、一見何の変哲も無い幕の内だとしても、実は副菜のひとつがその地方独特な食材や技法によって調理されたものと分かれば、味わいは一段と深まるように思います。
 
 よく駅弁は「高い」と言われます。この是非は本稿の主旨と外れますので、別の機会に書きたいと思いますが、高くてもそれに見合う価値があれば良いはずです。
その価値を分かりやすく演出出来る小道具、それが「お品書き」ではないか、と私は思っています。

 専用に印刷された物であれば言うことはありませんが、それにこだわらず、手製のコピーでも、それはそれで風情があるような気もします。
 何より大切なことは、作り手のこだわり、伝えたい地方の食文化、そして駅弁の価値を、より正しく伝える道具として活用することではないかと思います。
 そして、受け取った私達も、正しく理解することでより美味しく、その駅弁を味わうことが出来ると思います。
 その繰り返しが、口コミとして広がり、やがて名物駅弁を育てていくのではないでしょうか。

 コンビニ弁当などとの比較で「食べてもらえば分かる」という意見も多く目にします。それは事実だと思いますが、同時に駅弁の真価は、味や外観にとどまらず、見えないところの「こだわり」を発揮する、調製元の技にあるものと思います。
 それをより正しく、より広く伝える工夫という観点から「お品書き」がより活用されることで、駅弁への理解と支持がより広がることを願って止みません。

                ●駅弁コラム(過去掲載分)


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